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(2)違反すると…

道路交通法関連

20050120-16:04 コメントする トラックバックする

 71条5号の5違反についての罰則規定は以下の通り。

道路交通法119条

1項

 「次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

 9号の3
 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者

道路交通法120条

1項

 「次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

 11号
 第71条(運転者の遵守事項)第5号の5の規定に違反して無線通話装置を通話のために使用し、又は自動車若しくは原動機付自転車に持ち込まれた画像表示用装置を手で保持してこれに表示された画像を注視した者(第119条第1項第9号の3に該当する者を除く。)」

 119条の規定は随分前からありました。改正法施行で話題になったのは120条の方です。119条と異なるのは、「交通の危険」を生じさせなくても処罰対象になるという点。

たとえ前方を見ていても、運転に必要無い機械で通話しながら片手運転をしたり

運転に必要無い画像表示装置を手で保持して見続けたりすると

 それだけで5万円以下の罰金。

 前者については前のページで書いた「お巡りさんに怒られる行為」そのまんま。ところが後者については赤字部分が加わっています。通常の日本語ですと「手で保持して」とは「手で持ち続けて」という意味ですから、例えば運転者が車に固定されているカーナビ操作をする場合などは「保持」にあたりません。

 つまり、120条1項11号に引っかかる行為としては

 運転者が、自動車又は原付が動いているときに

▼携帯電話を手に持って通話すること

▼携帯の画面をチラチラ見ながらメール作成をすること

▼PDA等の画像表示装置を手に持ってチラチラ見ながら操作すること

 等が典型例として挙がり、こんな行為をやらかしただけで5万円以下の罰金への道が開けることになります。つまり、片手での「話ながら運転」「見ながら運転」はそれだけで処罰の対象になるってことですね。

 そうすると「あれ?前のページでお巡りさんに怒られそうだった『カーナビや車載テレビをチラチラ見ること』は、片手運転をしてない以上は120条に引っかからないの?」と思われる方もいるでしょう。それについてはその通りです。

 しかしその行為によって「交通の危険」を生じさせた場合(例えばカーナビ等を眺め続けるという不注意によって歩行者や他の自動車の通行を妨害したり、現実に事故を起こしたりした場合)には119条1項9号の3にヒットします。そして119条は120条よりも危険度の高い違反についての規定であり、罰則も重め。

 更に、120条1項11号に引っかかる行為でも、それによって更に交通の危険を生じさせた場合にはやっぱり119条1項9号の3に飛ばされます。つまり、前ページで書いた「お巡りさんに怒られる行為」をやらかすといずれにせよロクなオチが待っていないのです。

 又、「あれ?じゃあ車に固定されているカーナビの操作は、『手で保持』して操作してないから120条に引っかからないの?」と思われる方もいるでしょう。これについてもその通り。

 しかしカーナビ操作のためにはカーナビ画面をチラチラと見ることになりますから、その行為によって「交通の危険」を生じさせた場合にはやっぱり上記の通りロクなオチが待っていません。

 それを踏まえた上で、実際にお巡りさんに払えと言われるお金はいくらなのか、何なのかを書いてみましょう。

罰金と反則金の違い

 今まで挙げてきた条文に書いてある懲役だの罰金だのいうのは、刑罰です。手っ取り早く言えば前科が付くもの。そして刑罰は国家による重大な人権侵害の発動である以上、これを課すには刑事訴訟という慎重な手続を踏まねばなりません(参考:刑事訴訟と適正手続)。

 でも交通違反って日常的に山ほど取締られてるじゃないですか。これについて一々裁判してたら裁判所が破裂しますし、何より「国民総前科」になりかねません。そこで、軽微な交通違反については一々刑事訴訟のルートに乗せたりせず、ちょっと違反金を払ってもらうだけで、前科もクソもなくチャラにしちゃおうっていうのが交通反則金制度。悪質な違反を何度も繰り返したりする奴には刑事訴訟ルートに載ってもらう一方、そう悪質でもない違反者についてはちょっとした痛みを与えて放免することで面倒な手続や前科のレッテルを回避しようとしてるんですね。

 青キップっていうのはこの反則金キップ。赤キップっていうのは刑事訴訟ルート(つまり裁判所)へのキップです。

 さて、では今まで書いてきた運転中の携帯電話やら何やらについてはどんな反則金が定められているのかというと以下の通り。

 
運転中の携帯通話等
(120条1項11号)
交通の危険を生じさせた場合
(119条1項9号)
法定刑   五万円以下の罰金 三月以下の懲役又は五万円以下の罰金
反則金 大型:7,000円
普通:6,000円
二輪:6,000円
原付:5,000円
大型:12,000円
普通:9,000円
二輪:7,000円
原付:6,000円
違反点 1点 2点

 運転者は、自らが業務者(このページ中ほど「過失犯の比較」参照)であることを自覚してそれなりの運転をするのが人の道。事故って後悔するよりは大人しく運転に集中しましょう。

(1)道路交通法と携帯電話
(2)違反すると…
(3)呼気検査拒否罪
(4)自転車や馬の酒気帯び運転?

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