新会社法関連書籍のレビュー
20051018-15:00 コメント (3) トラックバックする
イシダ的に大慌てで新会社法のお勉強をするに当たり、利用している書籍の簡単なレビューで御座います。
まずは条文が手元になければ話になりませんからね。平成18年度版のポケット六法です。会社法の条文だけを収録してある本も出版されてはいますけれども、どうせ勉強している際には新商法や民法の条文を引く機会も出てくるわけで、それだったらガッツリと1冊手元に置いておいたほうがラクチン。
当たり前のことですけれど条文の配置が豪快に変わっているので、基本書を読む際に条文番号が出てきたら片っ端から引いていかなきゃ身体が条文配置を憶えません。文言は現行商法よりはるかに読みやすくなっているので、条文を引いて読むこと自体はさして苦にもならないし。
とりあえず概要だけ流しておいたほうが吉だろう、ってことで本屋で何冊か立読みした後にこれを選んで購入。「最初から勉強する人のための入門書」とか書いてありますけど、商法の勉強をしたこと無い人がいきなり読んでもちょっと分らないんじゃないかなぁ。
一通り現行商法やその関連法を勉強したことがある人にとっては非常に読みやすく、また改正の重要ポイントが端的に紹介されているのでめっさ役に立ちました。これを2回ほど流し読みした後に基本書を読むと、とても気持ちよく読み進めることが出来ます。先日の答案練習会の解説講義で弥永先生が丁寧にお話してくださったポイントも、「ああ、この本で1回目を通したところだな」とよく理解できましたし。
ちょっと困ったのは、まず誤植が多いこと。と言っても簡単な誤植ですから現行商法既習者ならがすぐに気付ける程度のものですが(「持分会社において、無限責任社員でも業務執行権が認められた」とか。無限責任なんだから当たり前やん)。読んでいて「あれ?」と思うことが何回かあったので、全くの初学者にはあんまりオススメしません。
それと、索引が付いていないこと。「あの図をもう1回みたいな」とか「現行法との比較の表はどこ行ったかな」という時にサクッと引くことが出来ません。せっかく分り易い図や表があるのに勿体無い…。
「商法の勉強をしていて弥永先生の名前を知らない人はモグリ」と言っても過言ではない、例のアレの第9版です。500ページ越えで辞書っぽい雰囲気に。
はしがきで弥永先生が書かれているように、この本はとにかく丁寧に丁寧に書いてあります。丁寧な日本語、丁寧な理由付け、丁寧なナンバリング、脚注に至っては丁寧すぎて攻殻機動隊の単行本も真っ青です。1から勉強する人にとっては非常に素晴らしいことなんですが…。これは大学の学部生の方にオススメの本ですねぇ。
現行司法試験受験生からしてみれば、通読するのはちょっとキツイ。なぜかって、「新会社法でどこが変わったか」という点が殆ど書かれていないためです。イシダは上記の要点解説の本を読む前に1度リーガルマインドを読み始めましたが、改正点が分らないのがもどかしくて要点解説の本を買ったようなもんなので。
…。ronnorさんのレビューと完全に被っちゃいましたな。とりあえず、この本は辞書として手元に置いておけばいいんじゃないかなぁ、位の感じです。
今イシダの一番のお気に入りの本。神田先生の双書第7版。約300ページと通読しやすい分量ながら、端的な表現で会社法の全体を教えてくれます。嬉しいのは今回の大改正のみならず今までの色々な改正の経緯を丁寧に紹介してあり、会社法がどの様な点で現行法と異なるのか、どの様な理念で形作られているのかが分ることです。条文番号も「これでもか!」と言わんばかりに付されていて、現行司法試験受験生にはたまらない逸品ですね。
イシダは当分双書メインで今までの論証を修正していこうかなー、と思い中。
>論文六連敗さん
フラリと申込んだ答練がいきなり会社法からだったので大慌てで準備中です。とりあえず年内に商訴を回しておかなきゃなりませんし、程ほどに頑張りますYO。
>ronnorさん
いいですよ~神田いいですよ~(電波ゆんゆん)
言及、ありがとうございます。いやいや、イシダさんの紹介がなければ、あのレビューもなかったのですから、全てイシダさんのおかげです。
神田双書かぁ...。買うか迷い中です。買うなら、石田さんとこ通して買わせていただきますが、リーガルマインド買った後ってこと考えると...。
ということで、今後もよろしくお願いします。
こんにちは。
来年の受験を視野に入れてる方はやはり動きが早いですね。要点解説+基本書×2を既にチェックしているとは。
もうほとんど司法試験から撤退しかけてる我が身がなさけなや・・・。
頑張ってくださいな。
(んでも、来年会社法からは出題無しという相当の蓋然性ありっぽいところがなかなか嫌なところですな)