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20060327-22:27 コメント (5) トラックバックする
http://d.hatena.ne.jp/SNMR/20060320/p1
興味深いなあと思った。
確かに、問題を議論する前提知識がそれなりに必要になるので、刑法の事例問題をTVで扱うのはキツイでしょう。ただ、刑法は民法に比べればかなりとっつき易いというか、軽く一通り勉強すれば大まかな論理の流れを掴めるようになるので、「理屈くさくてうざい」とまで言っちゃ刑法が少し可哀想な気がしますYO。この理屈臭さが快楽でもあるのにー。
この「理屈」の面白さをアピールするにはTVは不向き。うちのサイトみたいに物好きが覗きに来てくれる様な場所でならそこそこ受けるんですけれど…。
折角なのでリンク先の冒頭にある事例の解答をでっちあげてみると以下のようになります。
本問におけるAに殺人罪(199条)が成立するか。AはCを拳銃で射殺しており、構成要件の客観面については問題なく認められる。しかしAはCをBと勘違いして射殺していることから、構成要件の主観面すなわち故意が認められないのではないか。
思うに、故意責任の本質は、規範の問題に直面し反対動機の形成が可能であったにもかかわらず敢えて行為に及んだ点に強い道義的非難を見出すことができるという点にある。そして規範は構成要件という形で与えられているのであるから、認識した内容と発生した事実が構成要件の範囲内で符合している限り、行為者は規範の問題に直面していたと言え、故意が認められると解する(法定的符合説)。
これを本問について見ると、AはBという「人」(199条)を殺すという規範に直面しながら実行に及び、Cという「人」の死という結果を生じさせていることから、たとえ客体に錯誤があったとしても、認識した内容と発生した事実が構成要件の範囲内で符合している。よってAには殺人罪の故意が認められる。
そしてAには違法性、責任の点で特に問題となる事情が見受けられない。
以上から、AにはCに対する殺人罪(199条)が成立する。
…ほーら、意味わかんない(笑)。以上の文章を噛み砕いて分かりやすく視聴者に伝えようとしたら、TVの2時間枠を目一杯使うハメになりそうな予感。
>volさん
それはなりよりですYO。
司法浪人時代の経験は決して無駄ではなく生活の中のどこかで役立つと思いますので、その癖を愛してあげてください。
あぁ懐かしい。。
社会人になってからも何かにつけ解釈しようとする
癖が抜けきれぬ私に、このテキストは幸せを与えてくれましたyo。
>名無しさん
いい加減な読み方どころか、それを意識して書いているので、それが伝わってシアワセです。
法律の問題は、大前提(法規)に小前提(事実)を当てはめて結論を導くと言う三段論法が鉄則なので、まずは問題文から出題者が論じて欲しがっている部分を抽出し、その問題点を解決するための学説の対立(論点)の理解を示し、理由と共に自説による規範を立て、それに問題文における事実を当てはめる…という筋道で書かなければなりません。
司法試験の論文指導で繰り返して言われる事は、この「問題提起→規範定立→当てはめ」という形式を守ることです。この意味で、「大まかな決まり」は存在しますね。
また、刑法では構成要件該当性→違法性→有責性の順番で論じることも鉄則です。なので、今自分が論じているのがこの3段階のどの部分なのかを明示しなければなりません。なのでイシダは「構成要件の主観面すなわち故意」と書くことで、構成要件該当性を論じていることをアピールします。
こう書くとなんだか面倒くさく思えますが、刑法を勉強した人から見ると、このスタイルの答案が一番スラスラ読めて分かりやすい形なんですYO。
>SNMRさん
刑法楽しいですよねー。この楽しみにはまっちゃうとアッチの世界に旅立って司法試験どころか卒業もクソもなくなるので、程々で踏みとどまる勇気が必要ですよね。
ああ、民事系に比べて刑事系の美しさたるや…ハァハァ
とか書くと民事好きな人に怒られるので民事も萌えますよ?とだけフォローしておきまス。
>この理屈臭さが快楽でもあるのにー。
その通りでございます!
うざいなんて書いてしまいましたが、本当は刑法のそんなところが大好きなのです(笑)
上の回答は多分司法試験の論文形式に則って書かれたものと思いますが、こういうものにも形式というか、順に何を書くべきかという大まかな決まりというのはあるんですか?
上を見るに、問題の要約のようなもの、問題において考察すべき内容、問題に対して採るべき考え方、その考え方を問題のケースに当てはめる、そして結論へ向かうみたいな。いい加減な読み方ですが。